【GHQ占領と日本】08.宗教政策・言論統制・文化政策
1.宗教政策
そのためGHQは、1945(s20)年12月、日本政府に対して「神道指令」を発令した。GHQは、「軍国主義・超国家主義」を生み出した悪の源泉こそが「国家神道」であり、日本を戦争に導いた原因であると確信し、「信教の自由の確立」「政教分離の徹底」「軍国主義の排除」の実現を具体的に指示した。
・国家神道の廃止
・政治と宗教の徹底的分離
・神社神道は民間宗教として存続
・国家指定の宗教による強制から国民を解放
・公的機関による神社への資金援助を禁止
これにより公的な神社への支援が禁止され、国家神道、軍国主義的・超国家主義的とされる用語の公文書における使用も禁止された。
2.言論統制
GHQは日本の民主化自由主義化を目指したが、一方で言論の統制も行った。一つは、戦前の軍国主義的な日本を肯定するようなもの。そしてもう一方では、戦時中を含む連合国軍の行為を批判するものや、戦後のGHQの政策を非難する行為や言論を禁じた。
GHQの言論統制は、1945(s20)年9月に発した「プレスコード」などで示され、それによって軍国主義的、戦前から戦中の日本を肯定、連合国軍の行為を批判、原子爆弾や無差別空襲の被害などをラジオや新聞、雑誌、一般市民発行の本などが厳しく検閲された。
・連合国兵の暴行事件
・連合兵の私行に関して面白くない印象を与える記事
・連合国軍将校に対して日本人が怨恨、不満を起こす恐れのある記事
・食糧事情の窮迫を誇大に表現した記事
・連合軍の政策を非難する記事
・国内における各種の動きに連合国司令部が介在しているように印象づける記事
などであった。
3.文化の誘導
日本国民に対しアメリカ文化の浸透を図るべく、さまざまなアメリカ文化の推奨がはかられた。
・「アメリカ映画普及」のための配給窓口会社「CMPE(Central Motion Picture Exchange)」を東京に設立した。一方の国産映画は、終戦後の焼け野原や進駐軍による支配を示す情景を撮影することが禁じられたため、長い間街頭ロケすらできない状態に置かれた。
・子供たちに人気の「紙芝居」では、「黄金バット」の「髑髏怪人」というキャラクターを、あめりか白人に変更させている。しかしこれは全く支持されることなく無視された。
・非軍事化の一環として、「日本国内の武道」を統括していた「大日本武徳会を解散」させ、関係者を公職追放した。また、全国に日本刀の提出を命じる刀狩りが行われた。
・映画界では「チャンバラ映画が禁止」されて、時代劇のフィルムも廃棄された。
進駐軍の兵士が利用する「進駐軍クラブ」により、「最新の英米の文化」がもたらされた。当時のアメリカで流行の「スウィング・ジャズ」がもたらされ、進駐軍兵士相手に歌う日本人ジャズシンガーなどが売れっ子となった。また、クラブで提供される酒類は「ビールやウィスキー」の洋酒であり、日本酒や焼酎にとって代わり、これらが急激に普及した。
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