2022年7月4日月曜日

【歴史コラム】22.世論情報戦

【22.世論情報戦】 (2019-08-31)


>高笑いの文在寅。韓国側の情報戦に負けた日本が「悪役」になる日 https://www.mag2.com/p/news/410425

 センセーショナルな時事ネタにしゃかりきに反応する必要はないが、「反日」を戦略的に情報戦に組込んでいる中国や韓国に対して、日本外交が連戦連敗してきた理由を、冷静に抑えておく必要はあるだろう。

 たとえば日韓併合について、保守系識者などは「大韓帝国からの申し出で、当時の国際法にもとづいて併合した」などと言う。理屈上はその通りかもしれないが、事実上は植民地化して植民地支配したと、おおむねは考える。そして欧米の一般人など、朝鮮や日本がどこにあるかも関心がないので、そんなもんだろうと思っている。

 従軍慰安婦や徴用工問題も同じで、「軍が強制的に慰安婦を連行した事実はない」とか「強制労働ではなくて、自主的な雇用労働者で給料も支払われていた」などと言ったところで、関心の薄い韓国や日本の若者は、どうでも良いとしか受け取らない。

 そして性差別・人権人道問題として普遍的・世界的な話題として展開されると、セックス・スレイブ(性奴隷)だのスレイブ・レイバー(奴隷労働者)という言葉にされて独り歩きする。となると、ネット拡散したフェイクニュースと同様、もはや対応不可能である。

 韓国による福島などの水産物の輸入禁止問題も、圧勝と思われていたWTO提訴でも、判断できないから二国で決めてくれとされ、事実上の敗北。これも環境問題や消費者人権問題に話を普遍化して、ロビー活動を徹底した韓国の勝利だろう。

 中国との間でも、古くは満州国建国問題で、国際連盟のリットン調査団が、中国のメンツと日本の権益を両立させる玉虫色の報告を出したのに、日本は勝手に切れて国際連盟を脱退、以降、世界にメッセージを発信する場所を失くしてしまった。

 さらに、南京大虐殺事件でも、「当時の南京の人口は20万程度、どうやって30万人の虐殺ができるのだ」とか「国民党兵が民衣をまとって便衣兵として民間に紛れたから、国際法にてらして(スパイはその場で射殺可)行っただけ」だとか言うが、一般民を含む数万単位の虐殺があったのは否めないだろう。「大虐殺」か「虐殺」かなど、当事者以外は関心を持たない。

 つまり、日本は「真実・事実を示せば、通る」とか「国際法にとって正しい手順を踏んでいる」とか主張するが、そんなことは当事国以外は関心がないし、関係のない他の国々、他国民にとって、どうでも良いことだし、当事者同士で決めてくれというスタンスに流れるのは当然だ。

 そういう場合、より早くより広くより浅く、一方的な情報を流して浸透させた方が勝つ。ジャイアンに一方的に吹き込んで、のび太をぶん殴らせるスネ夫方式が勝つわけで、この種の世界に、のび太を助けるドラえもんは存在しないのだ(笑)

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