【07.エジソンVSテスラ】
*NHK-BS ドキュメンタリー「電流戦争! エジソンVSテスラ」が放送された。
発明王として名高いトーマス・エジソンと、磁束密度単位にその名を残すニコラ・テスラの、直流or交流での電力事業をめぐる争いのドラマ。共に発明家として名をなしているが、その人と成りはかなり特異な性格として記録されている。
発明王エジソンは、生涯1,300もの発明と技術革新を為しとけ、その特許料収入に基づいて、事業家としての側面も持つ。事業家としては、強欲とも思える独占欲を発揮し、また自身の考えに固執する独裁的な経営者としての顔を見せた。
テスラは、大学在学中にすでに、交流発電機と交流モーターの原理を考案していた。当時は、発電した電流をいちいち整流器で直流に変換して利用するという、きわめて変換ロスの大きい方式であり、エジソンは自らの推進する直流方式に拘り続けた。
J・Pモルガンの支援を受けた "Edison General Electric"社(のちのGE)のエジソンと、J・ウェスティングハウスの支援下 "Westinghouse Electric"社(WE)でのテスラは、熾烈な直流/交流戦争を繰り広げる。
エジソンは、テスラに対して、幾つかの汚い手を使ったともされる。エジソンの会社に籍を置いたテスラに対して、エジソン流に直流用に設計された工場システムを、交流電源で動かすことができたなら、褒賞5万ドルを払うと提案したが、テスラがこれを成功させると、エジソンは褒賞の件を「冗談」で済ませた。それがテスラの退社理由となった。
また、テスラが提示する交流送配電システムが優勢な状況となると、エジソンは、当時試行中の死刑執行装置の電気椅子に交流電源を使うことを提案し、交流を「殺人電流」としてのイメージを広めようとした。
両者が発明家・電気技術者としてのプライドをかけた「電流戦争」は、結果的には、テスラの推進した交流の優位性が示され、現在の送配電システムでは、世界的に交流が主流となっている。
電流戦争に勝利したテスラも、数々の強迫観念に囚われ、異常な潔癖症で知られるなど、精神的にはアブナイ人だったようだ。晩年には、自身が開発した無線通信装置で霊界との交信を試みるなど、オカルティックな世界にはまりつつあったという。
実はエジソンも晩年、霊界との通信装置の開発を試みたというし、古くはあのニュートンもオカルティストでもあったそうだ。何だろうね、この手の天才ってのは(笑)
発明王トーマス・エジソンの名声に隠れた形になっていたニコラ・テスラだが、近年のイーロン・マスクによるEV車の「テスラ社」によって、一躍その名前が復活することになる。テスラが主張した交流電流の優越性は、電磁気によるモーターによってもっともその優越性を発揮するが、EV車はまさにそのモーター動力による利便性が優越する世界なのであるから。
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