2020年4月19日日曜日

【8C 781-800年】

【8th Century Chronicle 781-800年】

◎長岡京から平安京遷都へ
*781.4.3/ 山部親王が即位する(桓武天皇)。
*784.610/ 藤原種継を造長岡宮使に任命し、長岡京造営に着工する。
*784.11.11/ 桓武天皇が長岡京に移る(長岡遷都)。
*785.9.23/ 造営使 藤原種継が射られて死亡する。
*785.9.28/ 種継暗殺に連座したとされる、皇太弟早良親王を廃し追放する。
*793.3.1/ 桓武天皇が新京予定の地 葛野に行幸する。
*794.10.22/ 桓武天皇が「平安京」に遷都し、山背を山城と改名する。
*796.-.-/ この年、東寺・西寺・鞍馬寺が建立される。
*800.7.23/ 桓武天皇が、故早良親王の怨霊を恐れ崇道天皇と追称する。

f:id:naniuji:20191027121714j:plain 781年4月に即位した「桓武天皇」は、天武系勢力の残る平城京を避けて、784年、平城京から山背国乙訓郡の「長岡京」に都を移す。桓武の政務を担っていた式家「藤原種継」は、長岡の地への遷都を提言し、造長岡宮使に任命された。

 しかし785年9月、造宮使の種継が何者かに矢で射られ暗殺される。首謀者の中には、遷都の反対勢力として、東大寺など平城京の仏教勢力などが関わっており、また桓武天皇の皇太弟「早良親王」もこの叛逆に連座して、廃嫡のうえ配流となりその途上で憤死する。


 早良親王の死後、飢饉・疫病に加えて、桓武天皇近親者の相つぐ死去など凶事が続いた。その上に、新都で2度にわたる大洪水が起こり、それら凶事は早良親王の怨霊によるもの考えられた。治水担当者であった和気清麻呂の建議もあって、793年再遷都のための公式調査が葛野郡宇太村で行われた。

f:id:naniuji:20191027121932j:plain そして長岡京への遷都からわずか10年後の794年、桓武天皇は「平安京」へ再遷都を宣言することになった。平安京は、長岡京の北東で山背国北部の葛野郡および愛宕郡の地で、桓武天皇は京都市東山区にある将軍塚から見渡し、この地に決めたといわれる。


f:id:naniuji:20191027121846j:plain 平安京は、都の中央に南北を貫く朱雀大路が設えられ、その一番北に、皇居と官庁街を含む大内裏が設けられ、中央には大極殿が造営された。その後方の東側には天皇の住まいである内裏が設けられた。「朱雀大路」によって京域は「左京(東側)」と「右京(西側)」に分かれ、その南端には「羅城門」が設けられており、その両側に官寺である「東寺」と「西寺」が配置された。

f:id:naniuji:20191027122307j:plain 平安京は唐の長安を模して「条坊制」を取り入れ、現在残る京都の碁盤目状の街並みはその頃に造られたものが土台になっている。南北に9本の大路「坊」と東西に8本の大路「条」で区画され、大路に囲まれた180丈(約540m)四方の地域も「坊」といい、その坊がさらに小路により「町」に分けられた。


f:id:naniuji:20191027122204j:plain 平安京の東西には「鴨川」や「桂川」が流れ、これらの川の水運で都に物資を運び、運ばれた物資は都の中にある大きな2つの市(東市・西市)に送られた。平城京を苦しめた生活排水や藤原京の廃都原因になった洪水などへの対策も講じられた。

 広大な京域が設けられたため、条坊が人家で埋まるには年月がかかり、特に右京の南部は桂川流域の湿地帯にあたるため、10世紀ごろには荒廃した。そのため、後年豊臣秀吉が御土居で囲った市域は、左京側が中心となった。


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 唐の東西の都 長安と洛陽に模して、平安京の右京を長安、左京を洛陽と呼び習わしたところから、洛陽部分にあたる残された京都の街中を「洛中」と呼び、その外を「洛外」と呼ばれるようになった。

 こうして平安京より東に偏った地域に京都の街が形成されてゆき、平安京の内裏は何度も焼失し、天皇は里内裏と呼ばれる仮住まいを繰り返したが、その一つで平安京の東北にあった土御門東洞院殿が、現在の「京都御所」となった。また、平安京の東の端を示した「東京極大路」の場所は、現在の寺町通り・新京極通りとして、中心街となっている。


(この時期の出来事)
*788.-.-/ この年、最澄が比叡山寺(延暦寺)を創建する。
*792.6.7/ 軍団兵士制を廃止し、健児制を敷き戦闘力を強化する。
*797.2.13/ 菅野真道らが「続日本記」全40巻を進上する。
*797.9.4/ 国司などを監視する勘解由使を新設する。
*79711.5/ 坂上田村麻呂が征夷大将軍に任命される。

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